
常識と偏見の向こう側に・・・
より安全で高性能そしてなにより楽しい自転車を考えた末に、いまや常識となっている乗車姿勢に手をつける結果になりました。自転車メーカのジャイアント「リバイブ」や日本のタルタルーガなどの前例は参考になりました。
一般的にリカンベントタイプの自転車は普通の自転車に比べて多くの点でメリットがあるのに、バランスがとりずらく低速安定性に課題があると言われています。「エス17」では座席付近にハンドルを引き寄せさらにハンドルの回転軸を垂直にするなど、いくつかの工夫をすることで、操縦者が体重をハンドルバーにかけて容易に自転車の重心バランスをとることを可能にしました。
実は開発者自身も設計の段階では半信半疑でしたが最初の実験車に試乗してみて、その乗りやすさにビックりしました。それだけではありません。低速での実用性はもとより、ひとたび、気合いを入れて走ればその速さ、ゴーカートのようなコーナリングの醍醐味、クイックなレスポンスのハンドリングの妙に、これは気持ちいい。世界の人々にこの楽しさを知らせたいとおもったのです。
考えてみれば、今の常識的な自転車の乗車姿勢は誰が決めたのでしょうか。それは最初の自転車の発明が木馬に車輪を付けたものだったとすれば納得がいきます。手綱の代わりにハンドル、馬の脚の代わりに車輪をくっつける。発明としては極自然な発想だったとおもいます。それがいつの間にか常識になり、以来2世紀近くその常識がくつがえされることはありませんでした。
後にリカンベントタイプの自転車が発明され、自転車のレースに臨んだそうですがあまりの高性能に、それ以降、リカンベントはレース界から追放されてしまったそうです。現在も多くのレースでリカンベントは出場できません。そんな中、世界最大の自転車メーカーのジャイアントがセミ・リカンベントタイプの自転車を発売したのは印象的です。最近、ジャイアントの複数の関係者と話す機会がありました。かれらも、セミ・リカンベントタイプの自転車を普通の自転車として普及させたいと考えているようです。